結婚指輪を選ぶとき、何を一番のポイントにしますか?
デザイン?それとも価格ですか?
半数以上の人がデザインや価格を決めるポイントにしているようです。
ですが、本当にそれだけで決めてしまってよいのでしょうか。
結婚指輪は普段からずっと身につけるもので、
変色したり変形するのは避けたいところ。
金属アレルギーも気になります。
デザインや価格も重要なポイントですが、“長く身に付ける”を第一に考えれば、素材選びには大きなポイントになります。
定番のプラチナやゴールドのほかにも素材はいろいろあります。
まずは素材ひとつひとつの特徴を知ることからはじめてみましょう。
ジュエリー店のスタッフの視点から結婚指輪の素材の選び方を伝授します。
目次
定番素材の特徴
結婚指輪は日常的に長く身につけるものなので、変形しにくい素材がふさわしいといえます。結婚指輪はデザインがシンプルな分、素材選びは重要なポイントといえます。
見た目の雰囲気やデザインも、もちろん大切ですが、結婚指輪は一生身につけるものなので、強度もあり長持ちすることも考慮しなければなりません。
素材は多数ありますが、まずは定番の人気素材からご紹介しましょう。
1.プラチナリング
希少価値の高いプラチナは、結婚の証としてふさわしい素材として重宝されてきました。
白い輝きをもつプラチナは純白の花嫁に似つかわしいといわれ、特に日本人から人気が高いですね。
また、宝石として高価なだけでなく、耐食性が高く、適度に加工しやすい点も、結婚指輪にぴったりといえます。とはいえ、純度100%のプラチナは柔らかいため、毎日着用する結婚指輪の場合は変形や傷つけやすくなるリスクがあります。そこで、強度を高めるために5〜10%の割合で他の素材を配合します。一般的にパラジウムが使われることが多いです。
2.ゴールドリング
華やかな雰囲気を持ち合わせているゴールドも近年、人気が高まっています。
世界的にみてば、ゴールドを選ぶ人は多く結婚指輪の素材はこちらのほうがメジャーのようです。
ゴールドは豊富なカラーバリエーションがあり、造形的なデザインが自在にでき、他の素材とのコンビネーションにも最適です。ゴールドの色とデザイン次第で、カジュアルな感じや上品な雰囲気にもできるので、ファッションやライフスタイルに合わせて演出できます。
主なカラーは、素材そのものの黄金色、ホワイトゴールド、ピンクゴールド、イエローゴールドなどがあげられます。
ゴールドもプラチナと同様、純度が高いと強度が落ちてしまうので、加工され多くの場合が18金(純度75%)が用いられます。
定番以外のさまざまな素材の特徴
プラチナやゴールドを選ぶ人が多い結婚指輪ですが、その一方で金属アレルギーを起こしにくい素材や貴金属以外のレアメタル、素材同士を組み合わせたコンビネーションを使うなど、さまざまな選択幅が広がっています。
定番以外の主な素材をあげてみました。
・パラジウム
プラチナと外見は似ており、重さはプラチナの半分で軽く、安価なのが特徴です。
プラチナの強度を上げるために使われることが多いですが、金属アレルギーを起こしやすいので注意が必要です。
・ステンレス
台所用品でお馴染みのステンレスは、耐久性があり錆びにくいことで知られています。
金属アレルギーの心配もほとんどなく、お手入れも簡単です。価格も財布にやさしいので宝石にお金をかけたくない人が地金でステンレスを選ぶこともあります。
・チタン
レアメタルを代表する素材でテニスのラケットや眼鏡のフレームなど身近に使われています。
丈夫で変質しにくく、錆びにくい特徴があり、金属アレルギーもほとんどないとされています。
チタンの重さはプラチナのおよそ四分の一しかないので、羽のように軽いのも魅力です。熱加工してさまざな色を発色させたり、つや消しや鏡面仕上げでプラチナに近い輝きを出すこともできるようです。
・ジルコニウム
あまり聞き慣れない素材名のジルコニウムですが、医療器具や歯のインプラントに使われている安心素材です。
特徴はチタンとほぼ同じで金属アレルギーは起こしにくく、加工により多様なカラーが楽しめます。異なる点はジルコニウムのほうがやや重厚感があることです。ジュエリーの素材として、まだメメジャーではありませんが耐久性に優れ、軽量で独特の輝きをもつジルコニウムは近年、注目をされています。
・シルバー
古くから貨幣や装飾品に使われてきた金属です。
美しい輝きと加工しやすい点が魅力で手頃な価格で購入できます。酸によって変色しやすいので、専用のクロスで拭くなどお手入れは必要です。ロジウムメッキを施されていない場合は、金属アレルギーを起こすことがあるので注意しましょう。
金属アレルギーについて
ふだんは金属を身につけてもアレルギー反応は起こさないのですが、汗などで金属が溶け出すことで金属イオンが作り出されます。これが皮膚を通して体に入ってしまうと拒絶反応を起こし金属アレルギーとなってしまいます。
金属アレルギーのある人はアレルギーとなる金属を身につけないことが一番とされています。定番人気のプラチナやゴールドは金属が溶け出しにくい性質ですが、硬さを強化するためにパラジウムや銅を混ぜることが多く、なかには金属アレルギーを引き起こす人もいます。
そこで、硬さを強化するために、チタンやジルコニウムなどレアメタルを使用するリングが注目されています。ただし、金属自体が希少価値があり、加工が難しいため、価格は高めになってしまいます。
必要以上に神経質になる必要はありません。まずは、病院でパッチテストと呼ばれるアレルギー反応テストを受けて、自分のことを知ることが大切です。
もし、特定の金属にアレルギーがあったとしても、対処する方法はあります。最初から汗をかくときはつけないようにしたり、指輪を清潔に保つなどケアしていけば、防ぐことができるようです。
選び方のポイント
結婚指輪は高価なものなので、新たに買い直しするのはむずかしいものです。
だからこそ、後悔が残らないように選びたいですね。
最低でも下記の2つことはおさえておきましょう。
1.自分にあった素材は?
購入を決める前に見た目だけでなく、必ずはめてみて、つけ心地を確認しましょう。
インターネット通販での購入の場合、サンプルリングの貸出をしているところもあります。
日常的につける指輪なので、圧迫感があったり、何となく重さを感じたり、違和感がある場合は、思い切ってもう一度、選び直すことも検討しましょう。めんどうになって妥協して選ぶと、毎日指輪を見るたびに後悔することになりそうです。
2.アフターケアーは?
毎日つける結婚指輪は知らず知らずのうちに傷がつき、だんだんと歪んでくることがあります。
また、出産などで体型の変化によりサイズ直しが必要になるかもしれません。
結婚指輪は最初からアフターケアが必要になることを見越して、保証期間やサイズ直し、クリーニングなどのサービスがどのくらい受けられるのか確認しておくことが寛容です。それが、長く愛用できるコツにつながります。
毎日の生活に寄り添う結婚指輪だからこそ、素材選びは大切であり妥協はしたくありませんよね。
結婚指輪選びは、金属アレルギーのことも含めて事前の予習も必要かもしれません。
わからないことは、ジュエリーのプロである店のスタッフに質問したり相談することも大切なことです。
これから何十年と共に過ごす結婚指輪、見る度に愛おしくなる存在にするためにも、納得したものを選んでくださいね。
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